はじまりは宇宙からの帰還システム

ハンググライダーの原型は、米国のフランシス・ロガロが発明したロガロウィングです。宇宙船の帰還システムとして研究開発を進めたのですが、結局は採用されませんでした。

しかし、この研究成果が公開されると、 1960年代には竹竿やナイロンシートでこの翼を作って空を飛び始める人が世界中に現れました。これが現在につながるハンググライダーの始まりです。

ハンググライダーの構造

航空機用のアルミ合金やカーボン(炭素繊維)製の骨組みと、ナイロン生地の翼でできています。幅約10m、重量20~40kg。折りたたんで車の屋根に載せて運ぶことができます。

ハンググライダーのハングとは、ぶらさがる、吊り下がる、という意味です。

ハーネスという袋状の物を着て、金具でグライダーにつながっています。手でぶら下がっているわけではありません。

飛行速度は時速30~100km以上

上昇気流に乗って離陸地点より高く上がることができます。

「落ちる」のではなく「滑空」。高さの7~20倍の距離を進むことができます。

国内最長距離記録は茨城県石岡市から宮城県仙台市まで約240kmです。

「怖くないですか?」

離陸・着陸の基礎練習をして、十分な技術を身につけた人だけが山から飛ぶことができます。生身では飛ぶことができない人間が飛ぶ以上、怖くないといえば嘘になりますが、イチかバチかで飛び込んでいるわけではありません。

リンク先の映像を見ていただくと、イメージがわきやすいと思います。

【実は怖くない3つの理由】(C)空トビタイCH

体重移動で操縦

ハンググライダーは体重移動で操縦します。操縦に使う三角形の棒(コントロールバー)を使って、体を右に寄せれば機体は右に曲がり、左に寄せれば左に曲がります。バーを手前に引けば加速、前方に押せば減速。前後左右の動きの組み合わせで、自由自在に機体を操縦することができます。着地するときは、バーを目一杯上に押せば翼が上を向き、鳥が着地するときのようにブレーキがかかってフワッと着地することができます。

(続く)